08:『BOOK-RESTORATION/SUMMER-SEMINOR’08』を受講して・・・ 河村圭子 (修復基礎上級)
2日間に渡るサマー・セミナーは例年通り中身の濃い充実したものでした。
1日目大内田先生、森上先生おふたりのお話は、あそこでしか聞くことのできない 大変貴重なものだと思います。それも板倉先生の日ごろの活動・実績と長年にわた る先生方とのご親交あってこそです。
大内田先生の「冊子装のルーツを知りたくなってしまいました。」ということばが、 忘れられません。そしてここでもまたキリスト教の発するエネルギーに、出会って しまったという気がしました。また中国では巻物が一番高貴なものとして考えられ
冊子は珍奇なものと思われていた、ということも今回初めて<竜鱗装>の紹介とと もに学ぶことができて喜びでした。時間の関係で割愛された部分もぜひ機会があれ ばお聞きしてみたいと思います。
森上先生のお話もふだん閲覧係として、研究者の方々のご要望に触れているものと してたいへん実感し、かつ大変参考になるお話でした。大家というだけで信用して もいけない。研究というものを支えるのは誠実に事実と向き合う、情熱と冷静さな んだと。だから本物の研究者が現れたとき図書館員たるもの恐れずに大事な資料を 差し出せるよう鍛えなきゃならんと。
また、いつもわれわれ向けにちゃんと参考文献を示していただき、ありがたく思い ます。
2日目。いつものことながら、実技はどぎまぎ。でもどうやら最後まで到達でき、 一安心いたしました。そして先生は、こちらはいつもながらカッコよかったです。