レポートVol.29 フランス紙漉き体験記(5)
フランス紙漉き体験記(5) (2008年9月8日~12日)
クリス(クラークソン)先生 |
綴葉装のデモンストレーションをする先生 |
作業はそれぞれの段取りで デボラ先生は修復家としてのキャリアも長く、沢山の現物を見てこられた経験も豊富なので、自分のサンプルについていち早くその構造や綴じを理解し、さっさと作業を始められた。ただ、理論的に理解することと、実際に作業をすることはやはり彼女にとっても別なようで、古典製本の綴じには苦戦のようだった。時々、「オー」とか「ワォ」とかにぎやかに奇声?を 発しながらの作業だった。彼女のお茶目さと、元気と、好奇心の強さはいつもみなの気持ちを大いに盛り上がらせた。 熱心なデボラ先生 |
スロベニアからの若き修復家のブランカは、じっくりと考え、何度もクリス先生に自分の理解している内 容に間違いがないか確かめていた。「クリス、私は頭が悪いので、ここの部分がどうなっているかわからないので、もう一度説明してもらえませんか」と納得がいくまで先生に質問をかさねる。 クリス先生はとても優しい声で、「ブランカ。君は決して頭が悪いなんて事はないよ。君は3人の子供のお母さん |