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レポート

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 レポート56
 ■ 紙資料修復ワークショップ参加報告(2)       修復基礎 上級 井戸原洋子  
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2. 裏打ち

(特 徴)

古くから表装などで行われている技法。資料の裏面に紙を貼ることで、弱くなった紙の補強や皺になった紙を伸ばすことができる。ただし、紙を貼った面は見えなくなってしまうので、両面の資料には向かない。

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(材 料)

裏打ち用の和紙。資料自体が裏打ちの和紙の分だけ厚くなるので、ある程度薄いものを使用する必要がある。
正麩糊または化学糊
レポート56_01
裏打ち紙
レポート56_02
正麩糊
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(手 順)

  1. 作業台の上に霧吹きで水を吹き、刷毛を使いながらレーヨン紙を敷く。その上に裏を向けた資料を置き、霧吹きで湿めらせながら、刷毛を使って折り目や皺をのばす。
  2. レポート56_03レーヨン紙をぬらす
    レポート56_04資料を裏向けて置きのばす
  3. 作業台の上に霧吹きで水を吹き、刷毛を使いながら裏打ち用の和紙を敷く。その上に刷毛で糊をムラなく塗る。
  4. 裏打ち用の和紙を一辺を棒に引っ掛けて持ち上げ、糊を塗ったほうが下になるように資料の上に端からのせながら、刷毛で撫でて資料に貼りつけていく。
  5. レポート56_05裏打ち紙に糊をつける
    レポート56_06裏打ち中
  6. 乾燥するときに紙が波打たないように、和紙の四方に糊を塗って、資料側を表にして乾燥用の板に貼り付ける。そのさい、あとではがしやすいように、小さな紙を板と和紙の間にはさんでおく。
  7. レポート56_07裏を貼り終えたところ
    レポート56_08張り台に張る
  8. 乾燥したのを確認したら、乾燥用の板からはがし、化粧立ちをする。
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(感想・動機)

資料の修復を行っている工房に入ることができ、見学だけでなく作業の体験もさせていただけるというところに魅力を感じて参加しました。当日は機械を使った「漉きばめ」を自分の手で体験することで「裏打ち」との違いを実感することができ、加えて、工房ならではの専門的な手法、道具、設備、機械などに触れることができたのが、とても嬉しかったです。
今後、修復や修理に関わっていく中でよりよい判断や選択ができるようになるため、今回のような新しい方法や技術もできるかぎり機会をとらえて学んでいきたいと思います。




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