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レポート42 |
■ ホルン(オーストリア)修復会議報告(2) 代表理事 板倉正子 |
これは、5月9,10,11日の三日間、オーストリアのホルンという町(ウイーンから北西85キロ)で開かれた、書物修復国際会議に出席し、その後、ハンガリー、ブダペストを視察し、再びホルンでのパーチメントアセスメントの講座に出席した際の報告である。 ■ 会議 New Approaches to book and paper conservation-restoration ■ 主催 European Research Center for book and paper conservation-restoration ■ 参加国 24カ国 参加者110名 スピーカー(発表者)50名 ■ www.european-research-center.buchstadt.at |
5月9日月曜 |
会議の会場 フェアラインハウス(さまざま名イベントを行う文化ホール) 初日のレクチャーは9時40分から開始の予定だったが、開会式がずれ込み、開始はコーヒーブレイクの後からとなった。 |
コーヒーブレイク、大勢が列を作ってコーヒの順番を待っている |
最初のスピーカーはUrsula schadler氏(ドイツ)で専門は芸術史、特に壁紙などの研究家とのことだった。レクチャーは書物修復の基礎理念について、Alois Riegl(オーストリアの美術史家1858年〜1905年)とCesare Brandi(イタリアの美術史家、修復理論の専門家1906年〜1988年)の理論が、書物修復を実際にする上でいかに有効かという内容だった。 |
質疑応答の模様 |
午後からもコーヒーブレイクを挟んで8名の発表があり、主に理論よりは実践的な内容での発表が多かった。会議は三日間の日程で、発表者は修復家として実践で仕事をしている人が圧倒的に多かった。中には管理職の立場から、どのように予算化するかや、どのように保存プロジェクトを進めるかなどの発表もあったが、ほとんどが、どのように保存修復するかという実践的な内容が多く非常に興味深かった。 ヨーロッパの人達が欧州統合を機に、連携しながら本気で資料保存に取り組み出したことが実感として感じられた。50件の発表についてその全てをここで紹介することは出来ないが、私達の仕事、書物修復に直結するサブジェクトについて、次回、もう2,3紹介したいと思う。 |
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