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レポート25 |
■フランス紙漉き体験記(2) (2008年9月8日〜12日) NPO法人書物研究会 代表理事 板倉正子 |
製本家10名 |
■ 先生、参加者とスタッフ、犬も |
ワークショップ ワークショップは、2つのグループに分かれ始まった。Aグループ5名は紙漉きを先に2日間、Bグループ5名は製本を先に2日間。真ん中の水曜日は遠足の小旅行があり、残りの2日間はAグループが製本。Bグループは紙漉き。という具合である。 まず初日は全員で紙漉き工房と製本室などを見学し、紙漉き工程のあらましを理解する。私はデボラ先生の「こちらにいらっしゃい」というお誘いで、先生と同じクラスになり、紙漉きの作業からはじめることになった。 |
■ 原料を入れる容器と、枠をはずした簀 |
西洋の紙漉き 工程は和紙の紙漉きと大まかには同じだ。原料を臼のような装置で搗き、どろどろの状態にする。原料となるのは古いシーツなど麻布である。 次にホランダーという機械に水とともに入れ攪拌すると、原料は粥状になる。次に水を張った水槽に原料を入れ、濃さを調節する。原料が濃いと厚めの紙になり、薄いと薄めの紙になる。 木製の枠に金属(真鍮)の簀を貼った道具で原料を掬い上げ、多少の水切りをして、フェルトの上に置く、という手順。和紙と異なるのは、一枚ずつフェルトをはさんでいく点だ。 簀は金属性なのでとても重たい。紙の原料を掬い上げるとき、簀を水平に保たないと、出来つつある紙にしわがはいってしまう。私は背の低いこともあり、この2日間の作業で一枚としてまともな紙を漉くことができなかった。 |
二日間で4種類の紙を漉いた。一枚は厚紙、これは16枚を重ね置きして作る。二枚目はうっすらとブルーの紙、色づけは青いウールを細かくして混ぜ込んである。三枚目は17,18世紀あたりの書物の見返紙として程よく使える自然な色合いの紙、四枚目は和紙のように竹製の簀を使った薄手の紙、といっても日本の半紙などよりはもっと厚い紙である。 いずれも何十枚か漉くと、フェルトごとプレスで絞る。プレスの締め具合は水の流れ具合と勘頼み。締めすぎると紙はフェルトからはがしにくく、締めが足りないとやぶれてしまう。どんな手仕事も出来、不出来が経験値に大きく左右されるのは洋の東西を問わず同じである。 |
■ 紙をプレスして絞る |
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